患者さんと鍼とわたし

私は、鍼とお灸を使って治療している、いわゆる鍼灸院というカテゴリーに属していますが…

 

患者さんから、先生はオーラが見えるのですか⁉

と聞かれたり、

中には、オーラが見えるでしょ!

と、もはや確信的に言われることがありますが、

はっきり言いますと、

私はオーラが

見えません!!

 

しかし、私は鍼を持つと、患者さんが抱えていることが鍼を通じて感じることができたりします。

患者さんの個性が鍼を通じて伝わってきます。

外見からは想像できないくらいに苦しんでいる人やもがいている人。

発する言葉からは想像もつかないような大きな不安や焦りが渦巻いている人。

 

けれども、それらの患者さんが抱えている悩みや苦痛、辛さや苛立ちなどを私がまったく同じように感じることはできないかもしれない。

それは、実体験がないと本質的にせまれないこともあるし、同じ体験をしても人それぞれ感じ方が違うものだから。

例えば、同じ場所で地震を経験しても、その時の感じ方や心への介入度がみんな同じでないのと一緒。

なぜなら、それは人が持つ個性がそこにあるからだと思います。

 

そんなことをひっくるめて、私はそのような患者さんの心に響くような言葉をかけられればいいのですが、残念ながら言葉の語彙力や表現力の低さゆえ、言葉で響かすことはできません…

そこで、私ができることはいえば、鍼をすることで患者さんを安心できる状態に導いていくことです。

 

鍼をする瞬間は、患者さんが抱えている悩みや苦痛、辛さや苛立ちなどを共有する時間でもあり、それらのことから解放されていく瞬間でもあるように感じます。

 

 

こも池鍼灸院

奈良県生駒市東松ケ丘2-5