妊娠・出産までの施術

苦難の果てに手繰り寄せた命|不育症・流産・子宮外妊娠を乗り越え我が子を抱くまでの1年10ヶ月【生駒市】

桜の花びらも舞い散り、日に日に暖かさが増す春。

そんなある日に初めて来院される一人の女性がいました。

主訴は不妊。

病院で体外受精に取り組んでいるものの、なかなか着床に至らず、「血流や冷えに問題があるのではないか」とお悩みでした。

一通りお話を伺い、週1回の刺さない鍼灸ケアを中心に、体調に合わせて「よもぎ蒸し」を交えながら、根気よくお身体の土台を変えていくことになりました。

 

最初に整えたのは「腰まわりの冷え」と「子宮内膜の厚み」

初診の際、特にお身体のシグナルとして気になったのが腰まわりの強い冷えでした。

腰まわりの冷えは表面だけでなく、内臓や子宮への血流量の低下を伴っている可能性があります。腰まわりの巡りを促すツボを指標にし、丁寧にお灸や鍼、よもぎ蒸しを重ねていきました。

通院から1ヶ月半ほど経ち、移植の日を迎えました。

以前は移植前に内膜の厚さがピークを過ぎ、当日に薄くなってしまう傾向があったそうですが、今回は移植当日にかけて内膜がしっかりとした厚みを増していたとのことでした。

腰まわりの冷えが改善されたことで、子宮内膜の発育環境にも良い変化がもたらされたように思います。(特に内膜の厚みが移植基準のギリギリで毎回心配されている方は、鍼灸による循環ケアも一考ください。)

 

移植後も鍼灸を行い、数日後の判定日を待ちました。

結果は、陽性反応。

しかし、その喜びも束の間――数週間後、心拍が確認できないまま、赤ちゃんの発育は止まってしまいました。

以前にも胎嚢確認後に心拍確認に至らなかった経緯があり、そこが患者様にとってあまりにも高く大きな壁となって立ちはだかっていました。

 

流産の苦しみに、掛ける言葉など存在しない

流産の悲しみや失望は、それを経験したご本人にしか分かり得ない領域です。私にはとても軽々しい言葉などかけられません。

「ここまでよく頑張りましたね」

「お母さんのお身体が無事でよかった」

そんな言葉を発したところで、去っていった命が戻ってくるわけではありません。どれほど綺麗な言葉も薄く脆く、傷ついた心には響かないことを痛感します。だからこそ私は、余計な言葉を飾るのではなく、「患者様が再び私を必要としてくださるなら、全力でそのお身体を支え続ける」ということに集中しました。

 

再び、仕切り直しです。

この患者様は不妊だけでなく「不育症」の傾向もお持ちだったため、妊娠の先を見据え、とにかく「血の流れ」を徹底的に意識したアプローチを重ねました。

予期せぬ困難、そして「脈」が教えてくれたこと

前回の流産から3ヶ月が過ぎ、2回目の移植を迎えました。

積み重ねてきた施術の甲斐もあり、子宮内膜の状態は前回以上に良好でした。移植後もケアを行い判定日を迎えましたが、結果は「HCGの値が低く、即座に確実とは言えない陽性反応」でした。

再検査までの宙ぶらりんな日々。

それは、患者様にとってあまりにも長く、居心地の悪い時間だったはずです。

不安を抱える中で再度来院された際、ベッドで手首の脈を診させていただきました。妊娠している時特有の「妊娠脈」を探っていたその時、私の口から無意識にフッとこぼれ出た言葉がありました。

「……どこかに、いる」

患者様は「どこかって、一体どこよ!?」と思われたそうです。

その後、病院の精密検査で判明したのは「子宮外妊娠」でした。

脈から感じ取った違和感が無意識の言葉となって出た瞬間でしたが、患者様に無用な恐怖を与えかねない反省から、これ以降、私は脈から得た見立てを一度しっかりと自分の中で噛み砕き、言葉を慎重に選んでお伝えするようにしています。

いくつもの不安が交錯する冬を越えて

次の移植は春の暖かい時期に行うこととなり、冬の間は再び愚直なお身体づくりに専念しました。

使うツボの場所は、コロコロと変えません。あちこち手をつけるより、患者様のお身体が求めている「効くツボ」にひとつひとつ刺激を積み重ねていくことこそが、確かな土台をつくるからです。

しかし、患者様の心の中は激しい不安の渦中にあったはずです。

 また陽性が出ないのではないかという不安

 もし陽性でも、再び子宮外妊娠になったら両方の卵管を失ってしまうかもしれない不安

 凍結卵の残りが少なくなっていく焦り

 年齢を重ねる中で、再度の採卵がうまくいくかという恐れ

 そして「無事に着床しても、今度こそ育ってくれるのか」という最大の壁

鍼を打っていると、そうした張りつめた精神的ゆらぎが皮膚やツボを通してダイレクトに伝わってきます。

初診から1年|桜の咲く季節に巡ってきた3度目の移植

季節は巡り、また桜の花びらが散る4月。初めて来院されてからちょうど1年が経った頃、3度目の移植日が決まりました。

移植前後でしっかりと鍼とお灸を据えます。この頃にはもう、子宮内膜の厚さで思い悩む必要がないほど、お身体の循環は整っていました。

移植から10日後、病院で判定を受けた患者様からメールが届きます。

結果は、陽性。

心配されたHCGの数値も、今回は十分な数値を叩き出していました。

しかし、私たちのゴールは「妊娠」ではなく「無事な出産」です。着床後も週1回の鍼灸を継続しました。

そして妊娠6週目に「卵黄嚢」が確認され、翌週――これまでどうしても越えられなかった「赤ちゃんの心拍」が、画面の中で力強く動いているのが確認できました。

報告を受けた瞬間、私は心の中で小さく拳を握り締めました。(本当のガッツポーズは、無事に出産された報告を聞くまで大切に取っておくためです。)

暗く険しい山道をただひたすら登り続けていた景色が、一気に開けて山頂が見えてきたような瞬間でした。

年の暮れ、安堵の知らせ

その後も経過に合わせて鍼灸を続け、初期の不安定な時期を無事に乗り越えられた段階で、定期的な施術を完了としました。

そして、その年の暮れ。

「無事に、元気な赤ちゃんを出産しました」

という知らせが届きました。

 

最初に来院されたときから約1年。

陽性反応。

流産。

再び陽性。

子宮外妊娠。

そして、もう一度の移植。

心拍確認。

そして出産。

一つひとつを思い返すと、本当に長い1年間でした。

妊活は、思い通りにいかないこともある

この患者さんの経過を振り返ると、妊活というのは本当に思い通りにならないことが多いと感じます。

「今回は大丈夫」

と思っていても、思わぬ結果になることがあります。

逆に、

「もう無理かもしれない」

と思っていたところから、次の展開が始まることもあります。

だからこそ、妊活中の方には、

「もっと頑張らないと」

だけではなく、

「今、自分はどんな状態なんだろう」

と、自分自身にも目を向けてほしいと思っています。

 

生駒市で不妊治療・不育症にお悩みの方へ

妊活の道のりは、時に思いもよらない試練や遠回りを強いられることがあります。

度重なる流産や数値の異常、原因のわからない着床不全に心が折れそうになった時、どうか一人で抱え込まないでください。

「何度倒れても、もう一度自分の身体を信じてみたい」

そう思われた時は、いつでもご相談ください。

 

【院情報】

こも池鍼灸院

 

奈良県生駒市の不妊鍼灸・刺さない鍼灸院

〒630-0251

奈良県生駒市谷田町882-2 司ビル1階中央号室

 

 

※この記事は患者様の体験談をもとに構成したものです。効果の現れ方や経過には個人差があり、鍼灸・よもぎ蒸しが妊娠や結果を保証するものではありません。

-妊娠・出産までの施術
-, , , , , ,

Copyright© こも池鍼灸院 , 2026 All Rights Reserved.