ビタミンDを摂取した方が妊娠率が高い

デンマークで研究された内容です。

 

デンマークの不妊症と診断された女性の妊娠確率はマーガリンへのビタミンD添加政策終了後に比べて添加政策実施中のほうが高かったことが、デンマーク不妊コホートを使った研究で明らかになりました。

高緯度に位置するデンマークでは日照時間の短さによるビタミンD不足対策として、1962年から1985年までビタミンDをマーガリンに添加する(100gあたり50IU)ことが義務づけられていました。そこで、デンマークがん協会の研究者らは、マーガリンへのビタミンDの添加が不妊症女性の出産率への影響を検討すべく、デンマークの国家データベースを用いた研究を実施しました。

ビタミンDがマーガリンに添加されていた時期(1980年6月1日から1985年5月31日)、添加終了直後で影響が残る時期(1985年6月1日から1986年8月31日)、添加の影響がなくなった時期(1986年9月1日から1991年8月31日)の3つの期間に医療機関で不妊症と診断された女性の12ヶ月後の妊娠率を比較しました。

その結果、出産に至った女性の人数と割合は以下の通りでした。

・添加されていた時期     :917名/6313名(14.5%)
・添加終了直後で影響が残る時期:174名/1404名(12.4%)
・添加の影響がなくなった時期 :737名/8495名(8.7%)

このように添加されていた時期が出産に至った女性の割合が最も高かったことがわかりました。

また、それぞれの時期の出産に至ったオッズ比(添加の影響がなくなった時期をに不妊症と診断された女性のその後の出産に至ったオッズ比は以下の通りでした。

・添加されていた時期     :1.87(95% CI 1.68-2.08)
・添加終了直後で影響が残る時期:1.52(95% CI 1.27-1.81
・添加の影響がなくなった時期 :1(reference)

このようにデンマークで不妊症と診断された女性のその後、出産に至る確率は、マーガリンにビタミンDが添加されなくなった時期に比べて、添加されたいた時期のほうが87%高かったことがわかりました。

これらのデータからビタミンDの充足は妊娠、出産にプラスの影響を及ぼすことが示唆されました。

 

出典

Fertility and Sterility