「薬や注射を使っても、卵がなかなか育たない」
今回ご紹介するのは、30代後半の女性の妊活の記録。
主なお悩みは不妊。
病院で不妊治療を続けていましたが、卵巣機能の低下を指摘されていました。
体外受精に取り組む中でも、
「薬や注射を使っても、卵があまり育たない」
ということが悩みになっていたそうです。
さらに、
・高温期と低温期の差があまりない
・目の疲れ
・イライラしやすい
・お腹を下しやすい
・手足の冷え
といった身体の不調もありました。
不妊治療を続けながら「身体そのもの」も見ていく
不妊治療では、排卵誘発剤などの薬剤を使い、卵胞の発育を促していく方法があります。
一方で、治療では薬剤の種類や投与量などを調整しながら進めていくこともあり、身体的・精神的な負担を感じる方もいらっしゃいます。
この患者さんも、
「できることなら、病院での治療だけではなく、自分の身体そのものも整えていきたい」
という思いから、当院に来られました。
そこで、病院での不妊治療と並行しながら、鍼灸で身体全体の状態をみていくことにしました。
東洋医学では「肝」という視点から身体をみる
当院では、不妊という一つのお悩みだけを見るのではありません。
目の疲れ、イライラ、冷え、消化器症状、月経周期、基礎体温など、さまざまな身体の情報を合わせて、その方の状態をみていきます。
東洋医学には「五臓」という考え方があります。
今回の患者さんについて、東洋医学的に身体をみていく中で、特に注目したのが**「肝」**でした。
東洋医学における「肝」は、気や血の巡り、精神的な緊張などと関係するものとして考えられています。
また、肝の経絡は身体の内側を通り、生殖器周辺とも関係するとされています。
もちろん、これは東洋医学独自の身体の捉え方であり、現代医学における「肝臓」や卵巣機能と同じものではありません。
今回も、目の疲れやイライラ、冷えなどを含めた身体全体の状態から、東洋医学的に「肝」の状態をみていきました。
気になったのは「太ももの内側」
施術を進めていく中で、私が特に注目したのが太ももの内側でした。
身体を確認していくと、この部分に独特の違和感が感じられることがありました。
東洋医学では、太ももの内側には肝の経絡が通っているとされています。
そこで、その日の脈やお腹の状態、身体の反応なども確認しながら、太ももの内側だけではなく、全身のバランスを考えて施術する場所を決めていきました。
当院では「症状がある場所に直接鍼をする」という考え方だけではなく、
「身体全体をみたときに、どこにアプローチすると変化が出るのか」
という視点も大切にしています。
刺さない鍼やお灸を使いながら、その日の身体の反応を確認していきました。
数か月後、採卵に変化が
肝という東洋医学的な視点も取り入れながら、鍼灸を続けること数か月。
そして、いよいよ採卵へ。
その後、1回目の新鮮胚移植に進みました。
そして――
妊娠。
妊娠期間を経て、無事に出産されました。
「ここに来てから身体が変わった」
実は、この患者さんは当院に来られる前にも、別の鍼灸院にしばらく通われていました。
だからこそ、当院に来られてから感じた身体の変化に、とても驚かれていました。
同じ「鍼灸」でも、身体の見方や施術の考え方によって、感じ方が違うことがあります。
当院では、毎回決まった場所に同じ施術をするのではなく、その日の脈やお腹、ツボ、身体全体の反応を確認しながら施術を行っています。
妊活では「卵」だけを見るのではなく、身体全体をみる
体外受精をしていると、
「卵が育つか」
「何個採れるか」
「胚がどうだったか」
「移植できるか」
など、どうしても一つひとつの結果に意識が向きます。
もちろん、それらは大切な情報です。
でも、妊活中の身体には、それだけではなく、
冷え
肩こり
目の疲れ
睡眠
消化の状態
精神的な緊張
月経の状態
など、さまざまな変化があります。
東洋医学では、こうした一つひとつの身体の反応を別々に見るのではなく、全体を一つにつなげて考えていきます。
今回の患者さんも、卵巣機能の低下だけを見るのではなく、日々感じていた身体の状態を含めて施術を続けました。
そして、体外受精での治療を続けながら、妊娠・出産という嬉しい結果を迎えられました。
不妊治療と鍼灸を一緒に考えている方へ
「薬や注射だけではなく、自分の身体も整えていきたい」
「体外受精をしながら、鍼灸も取り入れてみたい」
「刺す鍼は少し怖い」
そんな方には、刺さない鍼という選択肢もあります。
こも池鍼灸院では、病院での不妊治療を否定するのではなく、必要な医療を受けながら、鍼灸を妊活中の身体のケアの一つとして取り入れていただくことを大切にしています。
妊活は、思い通りに進まないこともあります。
だからこそ、今のお身体の状態を一つずつ確認しながら、できることを一緒に考えていきます。
こも池鍼灸院
奈良県生駒市の不妊鍼灸
〒630-0251
奈良県生駒市谷田町882-2 司ビル1階中央号室
※この記事は患者様の臨床体験をもとに構成したものです。鍼灸施術によって卵子の発育、妊娠、出産などが改善・成立することを保証するものではありません。東洋医学における「肝」などの考え方は、現代医学とは異なる身体の捉え方です。