患者さんの妊娠・出産までのお話 その5『1年後の春』

2021年3月30日

患者さんの妊娠・出産までのお話 その4の続き

 

『1年後の春』

鍼灸をする時は、毎回脈を診てから始めます。

ある日いつものように脈を診ていると「あれ??」
いつもと違う印象を受けました。

私は脈を診た時に、昼ごはんに食べたものや夕食に何を作ろうとしているのかとか、いろいろと感じたりしますが、その1つにこの患者さんはもう来院されないなということを感じることがあります。

今回もそのように感じました。

しかし、患者さんは里帰りするまでは毎週来ますと言っていたのに、一体なぜだろう??

脈からは、患者さんのお腹の中にいるあかちゃんが弱っているような感じはないし、なんだか腑に落ちないでいました。

 

そして翌週、患者さんから病院での検診で子宮に6センチの筋腫があるということが分かったということを聞きました。

それからしばらくたったある日、筋腫が変性をおこして、お腹の強い痛みと張りによる切迫早産で緊急入院されました。

結果的に、これを最後に来院されることはありませんでした。

 

その6へつづく

 

こも池鍼灸院
奈良県生駒市東松ヶ丘2−5 有家マンション103