患者さんの妊娠・出産までのお話 その3『秋』

2021年3月27日

患者さんの妊娠・出産までのお話 その2『夏』の続き

 

『秋』

ようやく残暑も落ち着き始めた9月の下旬に1回目の採卵を迎えることになりました。
いつもの週1回の鍼灸に加えて、採卵前にも卵胞の成長を促す鍼灸をしました。

採卵は、4つの卵胞が確認でき、最終的に2つ採卵することができたということでした。
そして、この2つの大切な受精卵を2つとも胚盤胞まで育てるのか、1つは胚盤胞でもう1つは初期胚にするのか、それとも2つとも初期胚で凍結するのか、数字上では妊娠率の高い胚盤胞まで育てたいけれど、そこまで育たなかった時のリスクを考えると初期胚の方がいいのでは??と、かなり悩んでおられました。

最終的に、リスクを極力減らすために2つとも初期胚で凍結という選択をされました。(初期胚でもお腹の中で胚盤胞まで育てたら同じこと、そのように言った私の言葉も後押しになったようでした)

 

そして、次はいよいよ移植です。
採卵後、1周期あけた1カ月後に移植をするケースが多いようですが(新鮮胚移植を推奨しているところを除く)、患者さんは移植に向けて身体作りをもう少ししていきたいということで、移植をする時期は数カ月先に行うことになりました。

妊娠そして出産という目標に向かって、週1回のペースで鍼灸をしていきます。
鍼灸をしている強みは、採卵から移植まで通常より長い期間をあえて選択することができます。
もし体外受精(西洋医学)だけをしている人なら、このような選択はしないかもしれませんし、もしかするとこのような選択肢を思いつかないかもしれません。

しかし、鍼灸と言うアイテムを持っている人は、着床率を今より高くするための身体作りをするという選択もできます。

2つの初期胚を凍結し、季節は冬へ

 

その4へつづく

 

こも池鍼灸院

奈良県生駒市東松ヶ丘2−5 有家マンション103