あなたは普段、どんな夢を見ますか?
「誰かに怒っている夢」
「空を優雅に飛ぶ夢」
「水に溺れてしまう夢」……。
実は東洋医学(中医学)の世界では、古くから夢と、その時の身体・心の状態には関わりがあると考えられてきました。
今回は、そんな「夢」を東洋医学の視点から紐解いてみたいと思います。
※ここでご紹介するのは、あくまで東洋医学における伝統的な見立ての考え方です。「この夢を見たから、どこかの臓器が悪い」と医学的に判断するものではありません。最近のご自身の体調やメンタルを「そういえばどうかな?」と優しく振り返るきっかけとして、肩の力を抜いて読んでみてくださいね。
夢と東洋医学の「五臓」のつながり
東洋医学では、身体の働きを「肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)」という五臓の概念で分類します。
五臓は、現代医学でいう臓器そのものだけを指すのではなく、身体の働きや感情、精神的な活動なども含めて捉える東洋医学独自の概念です。
では、どのような夢が、どの「五臓」と関連していると考えられているのでしょうか?
① 怒る・イライラして争う夢 ⇒「肝(かん)」
誰かに激しく怒っていたり、口論してイライラしている夢。
東洋医学では、「怒り」や「ストレス」の感情は「肝」と関係が深いと考えます。
普段から気持ちが張り詰めていたり、仕事を頑張りすぎてストレスを溜め込んでいないか、少し立ち止まって確認してみるのもいいでしょう。
夢そのものから肝の状態を判断することはできませんが、最近の自分の感情や心身の状態を振り返るきっかけとして捉えてみてください。
② 空を飛ぶ・高いところから落ちる夢 ⇒「心(しん)」
気持ちよく空を飛んでいる夢や、ヒヤッとして目覚めるような落ちる夢。
東洋医学における「心」は、精神や意識、睡眠などと関係する大切な存在と考えられています。
最近、夜中に目が覚めやすい、眠りが浅い、なんとなく気持ちが落ち着かない……。
そんな繊細な変化がないか、自分の心に耳を傾けてみましょう。
③ 身体が重くて動けない夢 ⇒「脾(ひ)」
「足が重くて走れない」
「身体が重くて思うように動けない」
「金縛りのように身体を動かせない」
そんな夢を見ることはありませんか?
東洋医学の「脾」は、飲食物から身体を支えるものを生み出す働きなどと関係すると考えられています。
そのため、身体の重だるさや食欲、胃腸の状態などを考えるときにも、「脾」という考え方を用います。
「朝から身体がずーんと重い」
「胃腸の調子がすっきりしない」
といった体感と重なる部分がないか、普段の食生活や疲れ具合を振り返ってみてください。
④ うめく・泣き叫ぶ夢 ⇒「肺(はい)」
夢の中でシクシクと泣いていたり、切ない気持ちでうめいている夢。
東洋医学では、悲しみや愁い(うれい)といった感情は「肺」と結びついていると考えられています。
最近、気分の落ち込みが続いていないか、ため息が増えていないか、浅い呼吸になっていないかなど、普段の心身の状態に意識を向けてみるのもよいでしょう。
⑤ 水に溺れる・足をとられる夢 ⇒「腎(じん)」
深い水に溺れそうになったり、水辺で身動きが取れなくなる夢。
東洋医学の「腎」は、生命活動の根本や成長・発育、生殖などと関係する重要な存在と考えられています。
また、水分代謝などとの関係も深いとされています。
疲れが長引いて取れない、腰や膝が重い、足腰に力が入りにくいなど、普段の身体の変化がないか確認してみましょう。
五臓の状態からみる身体のサインとおすすめのツボ
夢だけでなく、日頃感じやすい身体の変化も「五臓」の視点からチェックしてみましょう。
セルフケアに使えるツボも合わせてご紹介します。
①「肝」の変化|気・血の巡りや目、筋肉との関わり
東洋医学では、肝は「気」や「血」の働きと関係が深いと考えられています。
イライラしやすい、目の乾燥やかすみ、肩や首のこわばりなどが気になる方は、普段のストレスや休息の状態も振り返ってみましょう。
東洋医学では、こうした状態をみながら「肝」に関係するとされるツボを選んでいきます。
【肝の状態が気になる方におすすめのツボ】
太衝
②「心」の変化|精神・睡眠との関わり
夢が多くて眠りが浅い、動悸がする、気持ちがソワソワして落ち着かない……。
そんなときは、睡眠や休息が十分に取れているか、一度振り返ってみましょう。
東洋医学では、精神や意識、睡眠などに関係する状態を「心」の視点から捉えることがあります。
【心の状態が気になる方におすすめのツボ】
神門
③「脾」の変化|お腹・消化・重だるさとの関わり
食欲が湧かない、食後に胃もたれがする、全身が重だるいと感じる。
そんな身体の変化を、東洋医学では「脾」と関連づけて考えることがあります。
食事の内容だけでなく、睡眠や疲労、日々の生活リズムも合わせて振り返ってみましょう。
【脾の状態が気になる方におすすめのツボ】
太白
④「肺」の変化|呼吸・皮膚との関わり
肌の乾燥が気になる、呼吸が浅く感じる、風邪を引きやすいと感じるなど、身体のさまざまな変化を東洋医学では「肺」の視点から捉えることがあります。
ただし、激しい咳や発熱、息苦しさなど、明確な症状がある場合は、東洋医学だけで判断せず、我慢せず医療機関を受診してください。
【肺の状態が気になる方におすすめのツボ】
太淵
⑤「腎」の変化|生命活動・生殖との関わり
東洋医学では、「腎」は生命活動の根本や成長・発育、生殖などと関係する重要な存在と考えられています。
足腰のだるさ、疲れが抜けにくい、冷えが気になるなど、身体の変化をみるときにも「腎」という考え方を用います。
妊活中の方にとっても、東洋医学では「腎」は大切な考え方のひとつです。
【腎の状態が気になる方におすすめのツボ】
太渓
夢は「身体と心の声を聴くきっかけ」として
夢の内容だけを切り取って、
「この夢を見たから絶対に○○の臓器が悪い」
と決めつける必要はありません。
夢は、その日にあった出来事や記憶、脳の活動など、さまざまな要素が複雑に関係して生じるものです。
東洋医学において夢は、あくまで「今、身体や心がどんな状態かな?」と全体を見渡すためのひとつの情報として捉えることができます。
東洋医学では、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体の状態を捉えていくことを大切にします。
夢の内容も、脈の打ち方も、お腹の状態も、ツボへの反応も、その人の身体をみるための情報のひとつです。
こも池鍼灸院では、脈診や腹診などを行いながら、お一人おひとりの状態を確認し、刺さない鍼や温かいお灸(独自の塩灸など)を用いて、身体全体のバランスを整えていくお手伝いをしています。
「なんだか最近、変な夢ばかり見て疲れが取れないな」
「自分の身体の状態を、一度ゆっくり整理してみたい」
そんなときは、夢の話からでも構いません。
あなたの身体の状態を一緒に見つめながら、ゆっくり身体と向き合う時間をつくってみませんか?
奈良県生駒市の不妊鍼灸・刺さない鍼灸院
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