鍼灸の専門誌に〈88人によるツボのとらえ方〉の特集が組まれたことがあったのですが、残念ながら私が載ることはなかったし依頼すらありませんでした…、が今後のために⁉︎私なりにツボのとらえ方について書いてみたいと思います。
普段、ささない鍼を使って施術をしていることもあって、鍼を服の上からすることもあります。その際、皮膚を直接見たり触ったりする切診による体表観察はしないでツボを取ります。
服の上からでも鍼をすることができるの?
服の上から鍼をしても効果があるの?
など、いろんな疑問が出てくるかもしれませんが、これについてはまた別の機会に書きたいと思います。
そもそもツボとは??
ツボは自然との調和・不調和のサインを出しているところであり、『気』を吸収したり排出したりしているところだと考えています。
健康な状態の時は、身体は精気を吸収し邪気を排出する作用ができている状態です。
しかし、これが滞ると気の巡りが悪くなってしまいます。これが病の原因となり身体の不調につながります。
そこで、まずは邪気(病巣)を出すこと(取り除くこと)をします。そして次に精気を補うことをします。
それができるのが身体にあるツボだと考えています。
(手術をして病巣を取り除いても、身体が不調であるのは精気が補えていないからかもしれません)
私のツボのとらえ方は、
精気の集まったツボは、温かくて柔らかい感じがします。服の上からでも感じ取ることができます。
邪気が溢れているツボは、異常な熱を感じたり逆にとても冷えていたりします。また、ぴりぴりと不協和音が流れています。
この特徴を目安にとらえていきます。
しかし、その場所を見つけ出すのは、東洋医学を学び始めた頃は砂漠でオアシスを見つけるような難しさがありました。
例えるなら、どこまでも果てしなく続いている砂で覆われた大地に、どこに水が存在するのか検討がつかなかったり、ここかなと思ってもそれは太陽で熱せられてできた蜃気楼のように惑わされたりする感じです。
けれども、耳を澄ませていると風に乗って動物の鳴き声がオアシスの場所を教えてるれるように、手を皮膚にかざしているとツボへと導かれるということがわかりました。
それが分かると、もう迷うことがほとんどなくなりました。
私のツボのとらえ方は、精気を補うツボと邪気を排出するツボが対になって感じることができて、そのツボは探しにいくのではなくて、導かれていくものだと考えています。
それゆえ、私が臨床で使うツボは、教科書的に示されたツボの場所とは違うことがありますが、導かれたツボに鍼をすると、砂漠のオアシスのように身体を生き返らせてくれると感じています。
こも池鍼灸院
奈良県生駒市東松が丘2−5