「手足が冷えて眠れない」「お腹が冷えて痛くなる」「夏でも靴下が手放せない」
そんな冷え性の悩みを抱えながら妊活をしている方は少なくありません。
実は冷えは、単に「寒い・体温が低い」ということではなく、妊娠力に深く関わる重要なサイン。
特に東洋医学では、冷えは 「エネルギーや血流の不足・巡りの滞り」 を示すものであり、子宮環境やホルモンバランスに影響する、と考えられています。
この記事では、冷え性と妊活の関係を東洋医学の視点から解説し、鍼灸でできる体質改善のヒントをお伝えします。
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冷え性が妊娠に与える影響
子宮・卵巣の血流低下
子宮や卵巣は血流によって栄養やホルモンを受け取り、妊娠の準備をしています。冷えで血流が悪くなると、卵胞の成長や子宮内膜の厚みが十分でなくなることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
冷えは自律神経を乱し、ホルモンの分泌にも影響します。排卵がスムーズにいかない、高温期が安定しないなど、生理周期に不調が現れやすくなります。
着床環境が整いにくい
赤ちゃんにとって子宮は「ベッド」のような場所。冷えていると着床のチャンスが減ってしまいます。
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東洋医学からみる冷え性の4タイプ
1. 腎陽虚(じんようきょ)
体を温める力(陽気)が不足。
•特徴:腰や下半身の冷え、夜間のトイレ、足腰のだるさ
2. 気虚(ききょ)
エネルギー不足で温める力が弱い。
•特徴:疲れやすい、汗をかきにくい、朝からだるい
3. 血虚(けっきょ)
血の不足で子宮や全身が栄養不足に。
•特徴:顔色が白い、生理量が少ない、爪が割れやすい
4. 瘀血(おけつ)
血流の滞りで局所的な冷えや痛み。
•特徴:生理痛が強い、経血に塊、下腹部の張り
冷え性といっても原因はそれぞれ違うため、自分の体質を知ることが妊活にはとても大切です。
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鍼灸でできる冷え性改善
鍼灸は、冷えの原因となる「気・血・水」の乱れを整えるのがとても得意です。ツボを刺激することで血流が良くなり、自律神経やホルモンバランスにも働きかけます。
よく使われるツボ
•三陰交(さんいんこう):内くるぶしの上。婦人科系の不調全般に効果的。
•関元(かんげん):おへその下。腎を補い、子宮を温める。
•足三里(あしさんり):膝下の外側。胃腸を整え、体全体のエネルギーを高める。
•血海(けっかい):膝の内側上方。血流を促し、生理のトラブルを改善。
ツボは指圧やお灸でもセルフケアができますが、専門的な鍼灸治療を組み合わせることで、より効果的に冷え体質を改善できます。
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自宅でできる冷え対策
食事
•温かいものをよく噛んで食べる
•黒豆、くるみ、生姜、にんにくなどを取り入れる
•冷たい飲み物・甘いものの取りすぎに注意
生活習慣
•お腹と腰を冷やさない
•夜更かしを避け、睡眠をしっかり取る
運動
•軽いウォーキングやストレッチで血流促進
•下半身を動かす運動で「温める力」を強化
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まとめ
冷え性は「女性に多い体質」ではなく、妊活に大きな影響を与える要因です。
血流の不足やエネルギーの低下が、卵の質や子宮環境に関わり、妊娠力を下げることにつながります。
鍼灸で体質を整え、日常の生活習慣を見直すことで、妊娠しやすい身体に変わっていきます。
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